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diary

木を見て森を見ず

“Some people cannot see the forest for the tree.”   「木を見て森を見ず」

静岡写真 063イラスト:松田光代

『ことわざ英語かるた』の中に「木を見て森を見ず」と言うカードがある。
細部(目の前の木)にこだわり、全体(森)を俯瞰できない近眼の女の子が描かれている。

細かいことがどうしても気になって前に進めなかったり
執りかかるまでにかなり時間がかかったり・・・
日常においてこのようなことはありがちだ。

ところが、ものごとが首尾よく運んだ時はどうだろう。

目の前の木と森が実に鮮明に見えている。
慎重かつ時には大胆に
特に意識せず本能的に行動していたと後になって感じることがある。
それは微に入り細に入り、一生懸命に取り組んだ結果だ。

ところで、「一生懸命」の語源は「一所懸命」である。

ウィキペディアによると、中世日本において各々の在地領主が本貫とした土地のことを
「一所懸命の土地」と呼び、命をかけて最後まで守り抜いたと言う。

この「一所懸命」と言う言葉をテニスの錦織選手が使っている。

13歳からアメリカを拠点とし、海外遠征で武者修行してきた錦織選手。
日清カップヌードルのコマーシャル、錦織圭 「SAMURAI K」篇では、
ラケットを木刀に持ち替え、華麗な【エア・ケイ】を披露した。

木刀でもスイートスポット(sweet spot)でボールをとらえる匠の技。
最適打球点から繰り出されるショットはあっぱれとしか言いようがない。

グローバル化した現代では、一か所に終生留まることは以前に比べ少ない。
錦織選手のように海外で活躍する日本人も多くなった。
では、「一所懸命」をこうとらえたらどうだろうか。

今ここ、切り取った瞬間を懸命に生きること。

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